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盥に汲んだ水に僅かの灯りを灯すこと
 

 

京都、桂にある桂離宮。そこに笑意軒と呼ばれる茶屋がある。
笑意軒の軒先には「浮月」と呼ばれる手水鉢がある。

すくった手水に月影を映し 月をすくうかのようにその手の中に収まる月影の趣を楽しんだと言われる。             

 

「月見」という言葉がる。

遙か昔、電灯も街灯もない夜を、私たちの祖先はどういう 眼で月を見て光を感じていたのだろうか。

水面に映る光を見ていると、私たち現代人と太古の悠久の時間の中に生きてきた私たちの祖先との

「光」に対する見方のズレが 浮かび上がりそうになる。

 

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